二カ月続けてのレザークラフトです。

数年来お付き合いある方(同い年)に退職を報告したところ、久し振りに飲みに行こうとなりまして楽しく過ごしていたのですが、最近名刺入れをなくしたとのことで。

こんなもので良ければいかがです?と話したところ「是非!」とのことで作ることになりました。
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くらごろ愛用の名刺入れ(2015年8月製作)

よく「材料費は?」と聞かれますが意識しないのでよくわからないんですよね。なので計算してみます。

この名刺入れの場合、27.5cm×11cm≒300cm^2 (平方センチメートル)を切り出して作りました。切り出す余剰分を考慮してざっくり 400cm^2 としましょうか。ちなみに革の大きさの単位は「ds(デシ)」と呼び 10cm×10cm(=100cm^2)です。なので【4ds】ですね。

よく浅草橋のレザーショップで仕入れるのですが、50dsで 2,000円 あたりが多いです(結構安い部類です)。となると 1ds あたり40円 です。

4ds=160円。安っ!

160円。。。

もっと高い革だとどれくらいでしょうか。


いきなり脱線しました。製作に戻ります。

設計・型紙

以前設計したものをそのまま使います。サイズは 275mm×110mm で切り出して 63mm で両側を折り返すものとなっています。

型紙

切り出し

型紙を当てて
銀ペンを入れて
切り出します

くぼみの部分は「自分の名刺をスムーズに取り出す」ために付けています。

この取り出し部分(角)では半径 5mm でアールを出しています(丸くする)。

取り出し部分

下処理

2.5mm ほどにセットしたステッチンググルーバーで淵に痕を付けていきます。写真は名刺の取り出し部分です。ここにステッチがあると締まって見えます。

ステッチンググルーバー

切り出した部分にサンドペーパーを掛けることで、切り出しの尖りを丸めます。

サンドペーパー

断面と背面(床面)をトコノールで磨きます(過去記事:パスケース(2) 裁断)。

断面
背面

穴あけ

糸を縫う前に革に穴を開けます。予め穴を開けないと手縫いで針を通すことが困難なためです。

2mm幅の両面テープで仮止めします。

仮止め

菱目打ちを使って穴を開けていきます(過去記事:パスケース(3) 裁縫の道具紹介)。

穴あけ

裁縫

穴を開けたら、両面テープで仮止めしていた部分をGクリアーで接着します。糸+接着剤で接合するということです。

縫います。

単純作業ですが、美しく縫い上げるのはやはり難しい。

仕上げ

コバを整えます。まずはサンドペーパーを使って接合部分の段差をなくします。

意外とサンドペーパーが活躍します

トコノールを塗布して10分したら磨きます。仕上がりの印象に大きく影響しますので妥協してはいけません。

完成

内側
外側
この写真だと上側が自分の名刺を入れておくところ(取り出すくぼみあり)、下側が頂いた名刺をしまうところ

最初はのっぺりとしていますが、名刺を入れて使い始めると2カ月ほどで自然と立体的に形が整います。薄い作りですが、それぞれ12枚ほどの名刺を入れることができます。


計測していませんが、所要時間は5時間ほどでしょうか。複数個を一度に作ると1つあたりの時間がだいぶ減らせます。

これもまたよく言われますが「これ売れるんじゃないの?副業にしないの?」。ハンドメイドの通販サイト「Creema」や「minne」に沢山アップされていますが皆さんお上手です。全然太刀打ちできません。はあ、ミシンが欲しい。